ギターと旅を楽しむオンラインマガジン
June 2006
根岸森林公園は横浜市中区根岸台に位置している。駅はJR京浜東北線か根岸線の『根岸』で、横浜からなら桜木町、関内、石川町、山手、そして根岸ということになる。横浜市中区といえばみなとみらい、山下公園、中華街、元町、外人墓地とメジャーな観光スポットが集まるところだがその外れにひっそりとあるのがこの根岸森林公園だ。(ちなみに根岸駅があるのは磯子区)
この公園のことを知ったのは偶然だ。ある日、テレビを見ていたら広い芝生と緑に覆われた公園が映しだされ、『どこだろう?』と思ったらそれがここだったというわけだ。こんなところでギターを爪弾いたら気持ちがいいだろうなあ、とずっと心に残っていた。

六月、梅雨の中休みのある日、さっそくギタレレを抱えて出かけてみた。
根岸駅から北東に向かって高台をめざしてくねくねと登っていけばいい。道を抜けて目の前に広がった芝生の光景はどこかアメリカを感じさせるものだった。芝生の先にはフェンスがあってその向こうにはさらに広い敷地が広がっているのがわかる。ここが公園だろうか…。しかし入り口が見つからない。芝生でゴルフのパターをしていたおじさんに声をかけてみた。『おじさん、公園の入り口ってどこ?』『森林公園?それなら入り口はもっと向こうだよ。信号2つ目のところに入り口があるよ』そして気さくなこのおじさんとしばし雑談。
おじさんの話ではこのフェンスの向こうは米軍の施設で公園はまだ先だということだ。どうりでアメリカっぽいと感じたわけだ。

この場所には戦前、競馬場があって東洋一の規模を誇っていたらしい。戦後は米軍に接収され住宅地やゴルフ場として利用されていた。1969年、一部は接収解除、整備され現在は公園として生まれ変わったわけだ。公園の一角には現在も米軍施設への入り口があって『U.S. NAVY FLEET ACTIVITIES YOKOHAMA』と書かれたゲートが設けられている。もちろん関係者以外の立ち入りはできない。
公園の一部は根岸競馬記念公苑となっていて、競馬場として利用されていたころの歴史を今に伝えてくれる。公園は大きく二つに分かれていて以前はゴルフ場だったひろい芝生のエリアと旧競馬場一等観客スタンドが建つエリアだ。
まず、芝生のエリアだが、なだらかでとても広い、さすがゴルフ場として利用されていただけのことはある。とにかく気持ちがいいの一言だ。場所がら外国人(多分アメリカ人)の割合も多い。

もう一つの観客スタンドが建つエリアには広場があって、夜は桜木町の横浜ランドマークタワーの夜景が望める。観客スタンドは著名なアメリカ人建築家のJ・H・モーガン氏によるもので一見の価値があるだろう。この観客スタンドは現在は立ち入り禁止でフェンスで囲まれている。後ろからの姿は望めるが正面からの姿は米軍施設の方角からでないと望めないのがちょっと残念だ。
さて、今日は訪れたのが遅かったせいで1時間も経つと陽が沈みはじめた。夕暮れにベンチに腰をおろしてギタレレを奏でると、メロディーはここちよい風にのって、広がる緑の彼方へ吸い込まれていくようだった。今度はもう少し早めに来て、もっとゆっくりと景色を楽しもう。

今回の散歩のお伴はこのギター
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J・H・モーガンの建物が残る根岸森林公園