大一大万大吉。いったい何の話と思う人もいるのでは。これは石田三成の旗印で、関ヶ原の合戦の際、西軍を率いた彼が用いたものだ。この天下分け目の関ヶ原、歴史ではよく聞く名前だがいったいどういう場所なのだろうか。以前から興味があったので訪れてみた。アクセスはJR東海道本線の関ヶ原駅。歴史的な戦いがあった場所にしては小さな駅なので驚いた。



駅を出ると左手に大きな看板があってそこに関ヶ原の合戦の際の東西両陣営の布陣が描かれてはいるが、駅前は静かなものでコンビニすら見当たらずほとんど人の姿もない。何かないかとブラブラしているとレンタサイクル屋さんを見つけた。シーズンオフのためだろう、『すいませ〜ん』と呼んでも店員さんの姿はどこにも見当たらない。何度か呼んであきらめかけたときに後ろからおばさんが現れた。どこかへ出かけていたようだ。師走のこの時期に自転車で関ヶ原をサイクリングしようと考える人はまれなようである。おばさんから関ヶ原案内マップをもらい自転車の前のカゴにギターを積んでいざ、出発!

まずは歴史民俗資料館へとペダルをこいだ。ここは当時の政治的背景と合戦にいたるまで経緯をビデオで紹介してくれ、当時の甲冑なども展示されているミュージアムで興味深いものも多いのだが他には客がいなかった。まさに貸しきり状態である。



その後いよいよ『決戦の地』へと向かう。田圃の真ん中に大きな盛り土があり、そこには大一大万大吉の旗と徳川の葵の旗が掲げられている。石碑には『関ヶ原古戦場 決戦地』と記されてあった。あたりは冬の田園風景が広がり遠くには山々がそびえているほかには何もないこの地で慶長5年9月15日朝、決戦の火蓋は切って落とされたのだ。結果はみなさんも御存じのとおり、石田三成率いる西軍は味方の裏切りなどもあって敗走し、家康率いる東軍が勝利、その後の徳川幕府と太平の世へと続くのである。

関ヶ原一帯には各武将の陣跡を記す碑が数多く建てられており、現在は静かなこの地でわずか400年前に大規模な合戦があったことが紛れもない事実であるということを訪れる者の伝えている。歴史的には、命のやりとりの行われその後の国の在り方を決定した意味深い場所だが、広々とした田園の中をサイクリングするのはとても気持ちがいい。夢中でペダルをこいで緩やかなアップダウンを楽しみ、田圃のあぜ道に腰を下ろしては山々の景色を堪能することができた冬の一日だった。



今回の旅のお伴はこのギター

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December 2004
関ヶ原古戦場をレンタルサイクルでめぐる師走の一日
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