ベルファスト&ジャイアンツコーズウェイ
『マイ・レフトフット』という映画でアカデミー主演男優賞をとったイギリス人俳優、ダイエル・デイ・ルイスをご存じだろうか。『ギャング・オブ・ニューヨーク』ではディカプリオの父の仇を演じていた。その彼が『ボクサー』という映画で、元IRA活動家のボクサー役を演じた舞台がここベルファストだ。映画のなかのベルファストは、どんよりとした曇り空が印象的だった。

北アイルランドの首都であるここベルファスト。首都とはいっても小さく静かな街で、これといった観光スポットは見当たらない。そしてあの映画のように空はどんよりと曇っていた。

僕がこの街を訪れたのは、ここから北の海岸にあるジャイアンツ・コーズウェイを見に行くためだ。六角柱が無数に建つこの場所は北アイルランドの観光名所の一つである。昔の人はこの不思議な石柱群は巨人によって創られたと考え、この名前が付いたという。自然とは不思議なものを創り出すものだ。

あいにくの小雨混じりの曇り空だったが、ジャイアンツ・コーズウェイに着いたときにはすばらしい青空が僕を迎えてくれた。巨人がその大きな手で、雲を取り去ってくれたのかもしれない。


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Summer 2004
旅とメロディ