林家こぶ平といえば、かの有名な昭和の爆笑王『林家さん平』の御子息でありテレビではタレントとしても有名な落語家だ。その彼が今年『九代目林家正蔵』を襲名された。この名跡は由緒あるもので初代は林家の始祖である。その襲名披露は各地で行われ、僕は興味をそそられていた。しかしなかなかチケットがとれず、やっとゲットできたのが鎌倉芸術館大ホールで行われた襲名披露公演というわけだ。

鎌倉芸術館?いったいどこだろう。調べてみるとJR東海道線大船駅東口から徒歩10分ということだった。大船で下車したことはなく、僕にとっては全くの未知の場所である。駅を出ると小さな地方都市といった感じで鎌倉芸術館までは真直ぐな一本。入り口付近にはユーモラスなオブジェがあって訪れる者をリラックスさせてくれるのだ。それはサックスを吹いていてどうやらイスから転がり落ちてしまった裸の男の像だ。芸術館建物の中心部には人工の竹林があり、四方からはその竹林に日が差し、刻々と変化する表情を楽しむ事ができる。ただ残念だがその中に入ることはできない。

さて九代目林家正蔵の襲名披露は実弟の林家いっ平、義理の兄の春風亭小朝、三遊亭円歌、幕間休憩の後、太神楽の翁屋勝丸、そして林家正蔵というものだった。この日の落語が僕にとって生まれて初めての生の落語体験である。春風亭小朝のその話術が滑らかで愉快なのには驚いた。テレビよりも断然面白い。そして三遊亭円歌。この人は人生経験が豊富なだけに出てくる話はさらに面白い。僕は笑い過ぎて頬の筋肉が痛くなってしまった。

林家正蔵は古典の『子はかすがい』を高座にかけていた。何度か聞いて知っている演目ではあるが、やはり面白い。生の落語はテレビとはスケールが違うのだ。そこにある正蔵師匠の姿はテレビでいつもいじられまくっていた『こぶちゃん』ではなく堂々とした姿だった。古典をしっかりと身に付け技を磨いていくのは時間がかかるだろうが、それだけに正蔵師匠の今後が楽しみだ。


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九代目林家正蔵 襲名披露
September 2005
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