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October 2006
トップトラベルギター>アコースティックアベニュー/アコースティック・トラベラー ATG823N


トラベルギター、ミニギターというと、普通のギターをそのまま小さくしたデザインのものが多い(もちろん小さくするための工夫や細部の調整はされている)。代表的なものではリトルマーチンやベビーテイラーなどがある。一方で、別のコンセプトのもとに造られているトラベルギターもある。旅行やレジャーに持ち運びが便利なように、ギターのデザインを考えているものだ。今回インプレッションするアコースティック・トラベラーATG823は『いつでも、どこでも』をコンセプトに造られている後者のタイプのギターである。

ギターを実際に持って旅すると、その大きさに戸惑うことがある。意外に横幅があるのだ。ギター以外にも荷物を持って旅するわけだから、取り扱いのしやすいギターにこしたことはない。このアコースティック・トラベラーは写真のとおりスリムなデザインになっているので取り扱いがしやすい。そしてこのギターは、ただの持ち運びしやすいスリムなギターではなく、音へのこだわりが随所にみられる。





まず、独特のひょうたん型のボディはひょうたんの上が小さく下が大きい。この下が大きいことが豊かな音量を作りだすための工夫なのだ。この形状のおかげで、見た目はスリムなのだがその印象以上におおきなボディスペースを確保でき、音のクオリティをアップしているようだ。さらに驚いたのはバックがラウンドバックであるということだ。背面のこの丸みがボディの中で発生した音をサウンドホールへ集めてくれるので、サイズ以上の音量を出すことができる。トラベルギター、ミニギターでこのラウンドバックを採用しているモデルは少なく、音へのこだわりが感じられる。

音色はどうだろうか。柔らかくてやさしい音がする。スリムタイプのトラベルギター、ミニギターというとどうしても、高音メインのカリカリした音になりがちなのだが、このギターは中音が豊かに響いてくる。やさしい音色はそこからきているのだろう。ボディ表面はスプルース、サイド・バックはマホガニー。表面のスプルースはナチュラルサテンフィニッシュで木目がきれいに出ている。この自然な感じがアウトドア指向のトラベルギタリストには合っているだろう。

他のスリムなトラベルギターと比べてみよう。左からKヤイリのレディバード、タイニーボーイのポーター、そして今回のアコースティックアベニューのアコースティック・トラベラーとなる。ボディサイズとブリッジまわりのスペースの違いがよくわかるだろう。



弦長が596ミリあるため、弦のテンションやフレット間隔はノーマルギターのそれとあまり変わらない。ノーマルサイズのギターから持ち替えても違和感なく、すんなりプレーできるだろう。ポジショニング的にはボディがスリムなので付属のストラップを付けて演奏したほうが安定して楽かもしれない。付属の専用ソフトケースは肉厚でギターにピッタリとフィットしている。アウトドアでも大事なギターをしっかりと守ってくれるだろう。

このギターと一緒に深い森の中を進んでいき、木の切り株に腰掛けてやさしいメロディを奏でてみたい。湖のほとりでサンセットを見ながらギターの音色に酔いしれたい。そんな気分にさせてくれるギターだ。

■Acoustic Traveler ATG823N
・価格:¥26,250 (税込)
・全長870mm
・弦長596mm
・トップ:スプルース
・サイド&バック:マホガ二ー
・指板&ブリッジ:ローズウッド
・色:ナチュラルサテンフィニッシュ
・アジャスタブルトラスロッド装備
・付属品:ストラップ、専用ソフトケース、ロッドレンチ
・「専用ソフトケース」が付属
※価格、スペック等はあくまで参考です。詳しくはメーカー、販売店へお問い合わせください。

アコースティック・トラベラーATG823はアコースティックアベニューのオリジナルブランドです。詳しくは下記へお問い合わせください。

アコースティックアベニュー
http://www.acoustic-avenue.dyndns.info/





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アコースティック・トラベラー ATG823N 
Created by
アコースティックアベニュー
いつでもどこでもギターを楽しみたい! そんなトラベルギタリストたちの
願いを叶えてくれるトラベルギターが登場した。名前もずばり、アコースティック・トラベラー。
旅とメロディ