茨城の潮来からJRで利根川をはさんで反対側に位置する佐原へと向かう。JR潮来駅からJR佐原駅までは時間にして10分、駅で3つ目でだが、ここは茨城県ではなく千葉県なのだ。この町も潮来同様にかつては水運の町として栄えた町である。

駅を出ると、ロータリーになっており、すぐ先に観光案内所がみえる。ここには無料のガイドマップやみやげ物が置いてあるので、佐原へ着いたらまずは立ち寄ってみるといいだろう。駅周辺は残念ながらさびれてしまっていて、閉店したデパートの使われていないビルが2つあった。カフェやファストフード店も見当たらない。ガイドマップを片手に町中を抜けると、やがて『小江戸』と称される町並みが見えてきた。土蔵造りの商家や千本格子の町家である。




これぞ、『小江戸!』と僕は心の中で微笑んだ。中心を流れる小野川をはさんで両側には風情ある町並みが続いておりすばらしい眺めだ。観光客もそれほど多くはなく、どちらかというと静かである。



町並みのほかには『伊能忠敬記念館』『伊能忠敬旧宅』、そして小野川観光船がある。伊能忠敬とは日本地図を造ったことで有名な江戸時代の偉人だ。観光船は『船』というよりは『乗り合い舟』である。



町並みを一周したあとでこの『舟』に乗り込んでみた。10人も乗れはいっぱいになってしまう小さな舟だ。
カスリのモンペ姿にの笠をかぶった女船頭さんが舟の舵をとり、もう一人のおじさんがモーターのエンジンを操っていた。この日は一昨日の台風の影響で水かさが増しており、橋の下をとおるたびに『頭を下げてくださーい。』といわれて舟の床へ頭を下げる、そしてまた上げるの繰り返しであった。それがまた面白い。舟から見える町並みは格別で、土蔵造りや千本格子の家々を眺めるにはうってつけである。



この町は醤油が名産で、『しょうゆジェラート』というものがあった。みためはソフトクリームのようなものである。どんな味なのだろう、と興味があったがやめておいた。となりのたい焼き屋さんに目がいってしまったのだ。昔ながらのたい焼きと書いてある。衣が薄くパリパリ、あんこがたっぷり詰まっておいしかった。昼は『小堀屋』で『黒きりそば』を注文。こしがあってなかなかの旨さである。



さて、この水郷佐原であるが観光地にしては、みやげ物屋さんや食べ物屋さんが少ない。現在、町を上げて観光に力を入れている様子なので次ぎに訪れるのが楽しみである。

バス、電車ともに都心へ向かう便は1時間に1本程度なので、着いたら帰りの便の確認しておいたほうがいいだろう。駅前で時間をつぶせるようなところは見当たらない。帰りの東京駅行きのバスに乗って気付いたのだが、町の中心が駅前からちょっと離れた街道沿いに移ってしまっていたのだ。そこにはショッピングセンターやDVDレンタルストア、ファストフードなど様々なお店が立ち並んでいた。時間とともに人々のライフスタイルは変化し、町も変わっていってしまうのだろう。『小江戸』は今、観光地としてその存在を模索中といった感じであった。



今回の旅のお伴はこのギター

☆関連記事を読んでみよう!
茨城の水郷、潮来のフォトエッセイのページへ
旅と散歩のフォトエッセイのトップページへ
『トラベルギターワールド』のトップページへ

☆掲示板に感想を書き込んでみよう!
トラベルギターワールドBBS

☆旅のプランを探してみよう!
大人気!露天風呂付き客室の宿を予約【ぐるなびトラベル】

☆旅のアイテムあれこれを探してみよう!
日本最大級ショッピングサイト!お買い物なら楽天市場




北総の小江戸 水郷佐原(さわら)
October 2006
| TOPページ |
トップフォトエッセイ>佐原(さわら)
旅とメロディ