| TOPページ |
トップフォトエッセイ>代々木公園
February 2007

春を待つ木々の息吹に触れる 代々木公園



渋谷の喧騒をぬけて公園通りの緩やかな坂道を登っていくと、大きな緑の森が見えてくる。そこは僕のお気に入り、代々木公園。ほんの5分か10分まえは、雑踏と、街にあふれる音の洪水の中にいたのに、ここでは、静かな木々の囁きが聞こえてきそうだ。





一年で一番、寒さが厳しいはずのこの季節。例年ならピンと張りつめた冷たい空気が頬を突き刺すのだが、今年は少し様子が違っている。あちこちで、『今年の冬は暖かい』などという声を聞くがまさにそのとおり。いつもの年の二月の、ましてや曇り空の下では、この公園にはあまり人の姿はない。しかし、今日はどうだろうか。ベンチに座ってギターを奏でる人、芝生の上で語らう人の姿はまるで春先の一日のようだ。

曇り空がときおり明るくなり、晴れるのかな、と思うとまた、どんよりとした雲がたれこめる。そんな空模様が朝からずっと続いている。まったく、思わせぶりな天気だ。

愛用のトラベルギター、ギタレレが今日の散歩のお伴。どこか写真を撮るのにいい場所はないかとあたりをぶらついてみる。ちなみにこのギター、ちょっと加工を施したので、新しいこのデザインになってから、初の外出となる。まさに公園デビューなわけだ。せっかくのデビューだから、素敵な写真を撮りたいと思うのが親心。青い空と、眩しくくっきりとしたコントラストが理想なのだが、この天気ではそれも望めない。今週はずっと青空だったのに、と心の中でちょっとくやしがる。

すると、面白いことに気づいた。木々に彩りがないぶん、いつもは見過ごしてしまうものに目がいくのだ。朽ち果てた倒木。大きな木の根元にポッカリと口を広げた洞。何かいないだろうか、と思って膝をついて覗き込んでみる。公園の隅にはうず高く積もった落ち葉。だいぶ色が抜け落ちている。大地に同化してしまうのは時間の問題だ。そしてそこからまた、新しい彩りを放つ生命が育っていく。

そんな、普段は気にもとめないモノに心を動かされながら、一人になれる公園の時間も悪くはないだろう。

☆関連記事を読んでみよう!
改造ギタレレ、fホール仕様
ギタレレでレギュラーチューニング
Kヤイリ レディバード
タコマ パプーズ

ミニギターインプレッションのトップページへ
旅と散歩のフォトエッセイのトップページへ
『トラベルギターワールド』のトップページへ

☆掲示板に感想を書き込んでみよう!
トラベルギターワールドBBS

ギターは楽天の楽器市場


トラベルギターワールド ウェブマスター シノジロウ
旅とメロディ