アルル
南プロバンスの太陽がまぶしい小さな街、アルル。空は透き通っている。ここはかつてローマの植民都市だった。そのなごりが円形闘技場や古代劇場などのローマ遺跡だ。何世紀もの時間を経た今なお、そこに姿を残すこれらを造り上げたローマ帝国の英知にただ感心するばかりだ。

アルルのもう一つの見どころは何といってもゴッホの絵画のモチーフにもなった『はね橋』だろう。現在のものは復元されたものだが、辺りの静かな風景に溶け込みまさにゴッホの『アルルのはね橋』に描かれた世界そのもだ。街の中心地からここまで、途中川沿いの舗装もされていない小道を歩いていく。ほとんど人はいない。数人の釣り人を見かけただけだ。もっと観光客が来ていると思っていたから拍子抜けしてしまった。のどかなところだ。

おかげでのんびりとはね橋をながめることができた。そしてゴッホが見たであろう眩しい太陽を自分の肌で感じことができた。じりじりと暑い。

滞在したホテルは街の中心にあるレピュリック広場に面しており、バルコニーには白いテーブルと椅子が置かれてある。日が暮れてからはここでサンドイッチをほおばり、広場の様子を眺めていた。コンサートやイベントが行われており真夜中まですごい盛り上がりだ。ベッドに戻っていつの間にか寝てしまい夜更けに目をさますと、外はすっかり静寂の中。ぼんやりとしたオレンジ色の街灯だけがあたりを照らしていた。この景色、この時間、ちょっと贅沢。


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Summer 2004
旅とメロディ