夏もほとんど終わり。今年は厳しい残暑もなく秋の訪れは早そうだ。これからの季節は夏の疲れを癒すにもちょうどよい。いつもはギターも抱えてあちこちへと動き回っている僕だが、静かな秋の夜は部屋で過ごすのも楽しい。

僕は公園のベンチで過ごす時間が好きだ。そこに座って景色を眺めたり、ギターを静かに奏でたり。それは部屋で過ごすときも同じだったりする。カウチに腰かけて窓の外の景色を眺めたり、ベランダのデッキチェアから秋のお月さまを見上げて過ごすのは気持ちのいい時間だ。当然、手の届くところにはいつも小さなギターが置いてある。

部屋で過ごすもうひとつの楽しみは、映画やDVDを観ることだろう。気に入った映画は何度も観てストーリーはインプットされている。それを音を消して映像だけを観るのだ。登場人物の表情や心の動きがいっそう伝わってくる。そして『あれ、この俳優、こんな表情するんだ』『この女優ってこんな癖があるんだ』などと発見するのも面白い。

世界遺産のDVDを観るのも好きだ。歴史ある建物や景色、自然を一人で楽しむ贅沢。過去に行ったことのある所が出てくるといっそう興味が湧いてくる。異国の街や人々の表情・雰囲気に酔いしれて、気がつくとギターを静かに奏でていることが多い。

今もカウチでこの原稿を書いている。外からはコオロギだろうか、虫の音が聞こえてくる。秋はやっぱりカウチが心地よい。


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カウチでくつろぐ秋の夜
映画と世界遺産と小さなギター
September 2006
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このギター
旅とメロディ