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ナビィの恋
僕が沖縄に興味を持つきっかけになった映画がこの『ナビィの恋』(1999年 中江裕司)という映画だ。レンタルビデオ屋さんで初めて映画の存在を知ってからレンタルを心待ちにしていた。ところがいつ行ってもレンタル中だったのだ。そんなことの繰り返しが続いて半年ぐらい経ったろうか。やっと観ることができた。
映画の始まりは粟国島へ向かう小型フェリーの船上。その後で美しい海と空、その間にポッカリと浮かぶ粟国島が映し出されるのだ。登場人物がまたおもしろい。西田尚美演じるナオコの大胆さとおおらかさ。村上淳演じる大和から来た青年、福之助の素朴さ。登川誠仁演じる恵達の存在感。彼が映画の中で使うショートフレーズの英語が妙に愛嬌がある。そして平良とみ演じるナビィの乙女ごころと女の情の深さ。すべてのキャストがやさしく素朴で自分に素直に生きている。そんな気がした。
美しい粟国島を舞台にした物語は静かにそして大胆すすんでいく。青い海、石垣に囲まれた縁側のある民家、赤いブーゲンビリア。牛、沖縄民謡、三線、フィドルの奏でるアイリッシュサウンド。これはあきらかにフェアリーテールである。現代の都会で生活する僕達には絶対に体験できない、それでいていつかはこの映画のように生きてみたいと感じさせてくれる。
僕はこの映画を観終わったあとで思った。これはナビィの見た夢なんじゃないか。ずっと思い続けた人と最後には幸せになるという女性なら誰しも願うラブストーリー。それがこの映画だ。
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