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ビフォア・サンセット

『恋人までの距離(ディスタンス)』1995米 の続編映画、それがこの映画『ビフォア・サンセット』2004米。前作は舞台がウイーンだったが今回はパリ。主役は前作同様イーサン・ホークとジュリー・デルピーの二人。舞台設定は9年後。実際に前作から9年経っているので二人ともちょっと老けてみえる。そのへんがリアルだ。9年という年月は恋人たちをとりまく環境を大きく変えてしまったようだ。

人生は偶然が重なりながら進んでゆき、それを運命という言葉で置き換えてしまう人もいる。

前作ラストシーンでは半年後の再開を約束して二人は別れた。しかし、つぎに会うのは9年という長い時間を経た後なのだ。会えなかった年月をうめるように、相手のその後のことを少しでも知りたくて二人はパリを歩き、ずっとしゃべり続ける。日暮れまでの短い時間を。

前作では二人は若く、未来は希望で溢れていた。夜を一緒に過ごした二人がともに迎えた朝は光輝いていた。

しかし今作では夕暮れに別れるのだ。そこがまた切ない。二人は別々の夜を遠く離れた場所で過ごすのだろうか。若かった頃、旅先で偶然出会い一緒に過ごしたウイーンの夜を思い出して。

この結末はどうなるのだろう。観た人それぞれにその人なりの結末があるような、そんな映画だ。運命を切ないと思う人には切ない結末が。運命を光の輝きと感じる人にはまた別の結末が心に残るだろう。



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